追われてふたりは 冬の旅
別れ言葉を ためらいながら
夜汽車にゆられて 北の果て
好きですと つぶやいて
見えぬ紅糸(べにいと) 断ち切れば
女の吹雪が 乱れ飛ぶ
心も躰も 粉々に
もっと抱いてと しがみつく
戻りたい 戻れない 咲いても冷たい 雪の華
幸せよりも 欲しかったのは
あなたの素肌の 温かさ
この身引き裂く 氷の風か
涙もちぎれる 北の果て
海鳥が ただ一羽
うずく未練に 呼びかける
雪が散る散る 恋が散る
女の炎が 舞い上がり
この指 この髪 この命
もっと燃え尽き 崩れ落ち
愛しても 愛しても 明日はひとりの 雪の華
雪が散る散る 恋が散る
女の吹雪が 声あげて
心も躰も 悲しみも
もっと凍えて 砕け散れ
戻りたい 戻れない 咲いても冷たい 雪の華